住民票を抜くかどうかの見極め方【退職後留学】【海外転出届】【新NISA】

はじめに

留学の際は、住民票を抜く、つまり海外転出届を提出するかどうか、検討する必要があります。
1年以上日本を離れる場合は、住民票を抜くことが一般的です。
1年以内の場合は任意、とされています。

この記事では、住民票を抜くことのメリット・デメリットについて検討しています。
証券口座を持っている方は、安易に住民票を抜かないように慎重に検討しましょう。

こんな方へ

  • ワーキングホリデーではない海外留学する方
  • 新NISA制度を使って資産運用を考えている方

社会人留学 ≒ ワーキングホリデーの罠

ワーキングホリデーの特徴

  • ワーキングホリデーの期間は通常1年以上
  • ワーキングホリデー世代は、自身の貯金の使い道を留学費用に充てることを最優先している、本格的な資産運用や配当収入生活を行っていない?

社会人留学といえばワーキングホリデーでの留学、というのが一般的な認識です。
ワーキングホリデーでの留学経験者、ワーキングホリデーを得意としている留学エージェントは多いので、
ユーチューブやブログで発信される情報は、住民票を抜くことを推奨しているケースが多いです。

しかし、住民票を抜くべきではない選択肢もありますので、メリデメを慎重に検討しましょう。

住民票を抜くメリット

社会保険料の支払免除

住民票を抜くことで、前年までの所得をベースに算出された健康保険料、住民税の支払が不要になります。

退職前年までの年収が1,000万円、東京都新宿区、40〜64歳の場合、
おおよそ健康保険料104万円と住民税77万円、合わせて180万円ほどを退職年度に納める必要がありそうです。
これを合法的に免除できることは経済的に相当大きいメリットとなります。

家族の負担も減る

また、納付手続きに関しても同様です。

留学時の納付・支払いは、家族や税理士など日本に残る代理人を立てて納付・支払手続きをすることになります。
できることなら日本に残る家族に迷惑をかけたくないものです。

国民年金の扱いは任意

なお、国民年金の支払いは任意選択です。
留学期間中は支払いを免除することもできますし、任意で納めることもできます。
年金制度の付き合い方は各自各様ですので、自身の将来と照らしてどちらかを選択してください。

住民票を抜くデメリット1 証券口座を持てない

住民票を抜くことで、SBI証券や楽天証券などの一般的な証券口座を原則保有できなくなります。
証券会社ごと扱いが変わりますので、詳細は各社のQ&Aページなどをご確認ください。

新規取引ができない

原則、日本の証券会社では住民票を抜いてしまうと新規取引はできません。
当然ながら、新NISA制度やiDeCoを活用し、資産運用することはできなくなります。 株・投資信託運用を前提とした人生設計を見直さないといけなくなります。

保有している口座解約の可能性も

証券会社ごとに扱いは異なりますが、
現在保有している口座についても、特定口座から一般口座へ払い出しが求められるケースや、口座解約を求められるケースがあります。
口座凍結だけならまだ耐えられますが、口座解約となるとキツイですね。

例外ケースも

例外的に、海外の証券会社(Interactive Brokers、フィリップ証券、Firstradeなど)を使用することで、住民票を抜いても継続して株式等を保有できるようです。
こちらについては、海外転勤者が発信しているブログ等を確認されるとよいでしょう。

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住民票を抜くデメリット2 日本の病院が使えない

健康保険料の支払いが免除されるということは、当然ですが健康保険証はなくなります。

健康保険証がないため、日本一時帰国時の病院使用は全額自己負担になります。
留学時は原則海外留学保険に加入しますが、海外留学保険を使って海外の病院に行くのは万が一のケースになります。

持病のある方はもちろん、持病がなくても国内生活において年数回は何らかの理由で病院のお世話なっている人は、
安易に住民票を抜かないほうがよいかもしれません。

なお、海外留学保険の特約条項などの個別事情は加味しておりません。

まとめ

社会人留学の場合、住民票を抜くべきかどうかを検討しました。

ワーキングホリデー経験者が、自身の経験を元に住民票を抜くことを推奨しているケースが多いですが、目先の社会保険料支払免除に飛びつく前に、慎重に検討したほうがよいでしょう。

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