TOEIC L&R TEST 音読特急 速聴力をつける (TOEIC TEST 特急シリーズ) 【リピーティング】【倍速トレーニング】

はじめに

「TOEICで音読学習をやりたいが、ちょうどよい教材がない。」「TOEICPart3、4対策をしたい。」

TOEICで音読するならPart3、4がちょうどよいと言われています。 TOEICPart3、4対策のリスニング教材はたくさんありますので、それらを使って音読するのが良いのでしょうが、せっかく音読するのであれば音読用に最適化された教材を使いたいものです。

TOEICのPart3、4対策本で、リピーティング音源が用意されている教材はほとんどありません。
また、倍速トレーニングを推奨している教材も最近出てきましたが、この教材は倍速トレーニングも習得できます。

この記事では、TOEIC対策のみならず、英語総合力そのものにも有効な、音読パッケージトレーニングと倍速トレーニングを習得することができる、この教材を紹介します。

ポイント

  • 音読トレーニングを通じてTOEIC対策を実践したい
  • 進化した音読パッケージトレーニングを習得したい
  • みるみる、ぐんぐんが終わったあとの2冊目として

実際に使ってみて

私自身この教材を、著者のやり方通りに4周回しました。4周やってみてエッセンスを習得したと感じたため、そこで終了しました。

良かった点

TOEIC問題でリピーティングができる

みるみる、ぐんぐんはTOEIC用ではありませんので、TOEICスコアを狙う場合はどうしても回り道のように見えてしまいます。その点この教材はTOEICPart3、4を使用しています。

実際の音読トレーニングの具体的なやり方は、回数も含めて詳細な指示があります。基本的に、音読、リピーティング、シャドーイングで構成されています。
音読やシャドーイングについては、音源のある教材であれば何でも練習することができますが、リピーティング用に空白がある音源はなかなかありません。

この教材は標準で用意されている無料音源にリピーティング用の空白が設定された音源が用意されています。また、1.2倍速も用意されています。音源はアプリ「abceed」を使用します。

■アプリ紹介「abceed」

  • リピーティング空白がある音源が用意されている
  • 1.2倍速の音源も用意されている
  • 「abceed」倍速再生はカスタマイズ可能

音読パッケージトレーニングと比べて新しい

音読パッケージトレーニングと比較すると、倍速トレーニングを取り入れているところが新しいといえます。

音読+シャドーイング+リピーティングを回数こなす、という本質はオリジナル音読パッケージと変わりません。
この教材が提案しているのは、倍速トレーニング(1.2倍、1.5倍)。
倍速トレーニングを行うことで口の滑らかさや読み取りスピード向上、微細な聞き取りのさらなる向上を進めることができます。
この倍速トレーニングはTOEICリスニング対策教材の「鬼の」シリーズが最近人気のように、リスニングや英語脳の最近のトレンドといえます。

なお、音読回数はオリジナル音読パッケージは1回30周、こちらは1回25周でした。繰り返し音読する必要性はいつになっても変わらないということです。

悪かった点

誤字脱字の多さ

発売から日が浅いため、現バージョンは誤字脱字が多いです。(発売日:2022年5月20日)

この教材だけではTOEICPart3、4対策は完結しない

この教材は TOEICPart3、4を教材としていますが、13問+10問しか問題が掲載されていません。傾向を掴むには良いですが、実際のスコア対策という点では問題数は足りないといえます。
この本だけ回していればスコアが上がることはなく、あくまで最新の音読手法を習得する教材、という割り切った使い方になります。

スピーカーはアメリカ(男性)、イギリス(女性)のみ

カナダやオーストラリアのリスニング対策はできません。

結論:令和版音読パッケージ

TOEICPart3、4対策本は世の中に山程あり、シャドーイングすることはできるものの、リピーティング用にレイアウトされている教材は多くありません。
TOEIC題材でリピーティング練習ができる教材であることが、ユニークで、価値があります。
本家の「みるみる」「ぐんぐん」は言うまでもないベストセラーですが、TOEIC向けではありません。現在は英語力の指標がTOEICスコアとなってしまっている以上、TOEICスコアに直結した勉強しないとコスパ、タイパが悪くなります。

こんな方へ

  • 想定問題集を使っていかにもの試験対策はやりたくない
  • 音読が良いのはわかっている、せっかくなので最新のメソットでやってみたい
  • TOEIC題材を使って音読トレーニングをやってみたい
  • 本家「みるみる」「どんどん」終了したあとの2冊目として


音読という語学学習の原点でありながらも、即効性のない切り口の参考書が、TOEICの最短ルート攻略の特急シリーズで出版される、という意義を考えると面白いです。

今の英語界のスタンダードであるTOEICのPart3、4を題材にした音読特化教材であり、音読だけでなくリピーティングと倍速トレーニングもセットで練習するトレーニングは、正に令和版音読パッケージと呼べそうです。